台湾の文化 鬼月と中元節

台湾には「鬼月」と呼ばれるとても重要な月がある。「鬼月」は旧暦7月、この1ヶ月間は鬼門が開き、「あの世」に閉じ込められた霊魂が「この世」に戻ってくると言われています。

旧暦7月1日(今年は8月19日)には「開鬼門」と言われ、鬼門が開き、

旧暦7月29日(今年は9月16日)には「關鬼門」で鬼門が閉ざされる。

※今年の旧暦7月は閏月のため、29日となるが、通常は旧暦の7月30日まで。

特に旧暦の7月15日「中元節」(今年は9月2日)は「鬼門」が大きく開かれる日とされている。

この期間、無縁仏の霊魂は戻る家が無く、徘徊し美味しいものを探す。これらの無縁仏が悪さをしないように、台湾各地では大小様々な行事が行われています。

基隆では、1ヶ月にわたってパレードや灯籠流しなど「鶏籠中元祭り」が盛大に行われます。

台湾各地含めて最も大規模なのが、旧暦の7月15日の「中元普渡」。「普渡」は、「あまねく済度する」という意味。「済度」は、仏教用語で、衆生を苦海から救い、彼岸へ導くこと。

「中元普渡」では、建物の玄関に多くの料理やお供え物を用意し、あの世のお金となる「紙銭」を燃やし、無縁仏の霊魂を祭る儀式を行います。

そんな縁起が悪いと言われる「鬼月」にはやってはいけないタブーとされることが沢山あります。

◎車や家を買ったり、引っ越しなどを避ける。

◎結婚式などおめでたい事を控える。

◎夜遊びや水辺には遊びに行かない。(「水鬼」(水死した人の幽霊)に水に引き込まれるとされている)

◎夜に洗濯物を干す。

◎夜に写真を撮ったり、口笛を吹いたりする。

などなど、他にもたくさんのタブーがあります。